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従軍慰安婦 吉見義明 岩波新書

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    1995年刊。

    従軍慰安婦問題は、今夏のあいちトリエンナーレのあの騒動を引き起こしたように、

    今もなお、国内において、そして日韓の間でホットな問題である。

    しかし、その問題のもっとも重要なポイントはなんであるのか、

    いつもそこがはっきりしない。

    感情論が先行してしまう。

    メディアも冷静に報道しない。(規制がかかって報道できないのか?)

     

    この一冊は、すでに1995年に、きちんと資料を整え、整理したうえで、

    クールに従軍慰安婦の実態を解き明かしている。

     

    もちろん、この内容に反対したい人たちはいるだろう。

    しかし、ここにある資料の存在には誰も抵抗できないのではないかと思う。

     

    読んでいて納得したことがあった。

     

    日本人はなぜ、敗戦直後あれほどまでにアメリカ人を怖れたのか。

     

    結局、自分たちがアジアの人たちに行ってきたことを

    戦勝者たちが自分たちに行うのではないか、という恐怖だったのだということ。

    だから、男も女もおびえたのだ。

    それは逆に、従軍慰安婦だけでなく、アジアの人々にひどい行いをしてきたということを、

    国民全体がよく知っていたという証拠だと思われる。

     

    戦争だったからそれが当たり前だった、

    ということはあるだろう。

     

    しかし、これらが明らかな人権侵害であり、

    国際法違反であり、

    ぬぐってもぬぐい去れない歴史であることを認識する必要はある。

    なぜなら、この事実を認めなければ、

    また同じことが繰り返されるから。

    現に、女性を性的暴行にさらしておきながら、

    逮捕もされず、のうのうと言い逃れをしている人物がいるではないか。

     

    ひと言で言えば、従軍慰安婦問題は、人権侵害問題だということ。

    日韓請求権協定が1965年に結ばれたからといって、あったことをなかったことにはできない。

    そもそもこの慰安婦問題は、1991年に生まれてきたもので、

    1991年に生まれたものを、

    1965年に解決した、

    とはとうてい言えたものではない。

     

    いずれにせよ、

    元慰安婦たちの悲痛の叫び、

    人間性を踏みにじられた心の叫び、

    たとえその証言が矛盾に満ちていたとしても、

    その声に耳を澄ます謙虚さを持ちたいものです。

     

    クールに書かれているけれど、

    ものすごく熱い魂がマグマになって書かれている一書。

     

    戦中、日本のある兵士がこんな短歌を詠んでいるのを紹介しています。

     

     苦力(クーリー)のかつぎ行きたる棺見つ聞けば慰安婦急死せるとう 

     

    今こそ価値ある一冊です。

     


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